ツンデレ地味子の両手に華?!
「…だから送るって言ったんだ」

「…みーうらさーん」

半泣きの顔で彰人の名を呼んだ。

「…コイツ、俺の連れなんですいません」

怖いお兄さん達から、颯爽と救い出してくれた彰人に、私は安堵の表情。

相手は舌打ちをしてその場を去っていった。

「…おい」


「…ご、ごめんなさい。助けてくれてありがとうございます」

深々と頭を下げた。

「…礼なんていらい。それよりは顔上げろ」

彰人の言葉に、おずおずと顔をあげれば、取られていた眼鏡をかけられた。


「…これ」

「…一人の時は、これかけるの許す」

「…」

…呆気にとられる私の手を掴んだ彰人は、私を何処かに連れていく。

…着いたところは、駐車場。

「…あの」

「…送るって言っただろ、さっさと乗れ」

その言葉と同時に助手席に押し込まれた。

…住所は言ったものの、よくよく考えてみれば、さっきのお兄さんたちと変わらないのでは?

流れに流されて、私はまんまと騙されたのでは?

そう思うと怖くなって、降りようとした。

当然車は走行中。彰人は、驚いて急ブレーキをかけた。

「こんの、バカ!死にたいのか?」

「…だ、だって早まったと思って」

「…ざけんな!俺はそんなに鬼畜じゃねえ!女なんて、吐いて捨てるほどいるわ」

「…女ったらし」

「…お前なぁ」




…ギャーギャー言いながら、ようやく車が止まった。
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