ツンデレ地味子の両手に華?!
…気がつけば、自宅マンション前。

「…着いた」

思わず本音がポツリ。

そんな私の背後から、盛大な溜め息が聞こえた。

「さっさと降りろ。俺はこれから仕事なんだよ」

「え、あ、すみません…ありがとうございました」

そう言って慌てて車から降りた。

「…おい」

「…あの!うちがわかったからってストーカー行為は止めてくださいね」

「…ふざけてんのか?」

ジト目で私を見ながら言う彰人に、私はいたって本気だ。

「…チッ。全く変な女を専属客にしたもんだ」

そう言っているのに、顔は笑ってて…

「…ニコニコしないで下さいよ」

「…うるえせよ…じゃあな」

もう一度反論しようとしたが、さっさといかれてしまい、言えなかった。

「…ま、いっか」

私はマンションの中に入っていく…と、入り口のところで、たけちゃんがいて、飛び上がるほど驚いた。

「…美野里が俺以外の男と、あんなに仲良さそうに話してるの初めて見た」

「…」

言われてみれば、確かにそうだ。

人見知りな上に、男の人と話すなんてもっての他だ。

それなのに、彰人とはなんの抵抗もなく普通に話してる。

何でだろう?

「…アイツとデート?」

「…ま!まさか!そんなわけないじゃない!今日は、本屋さんいって、喫茶店で本読んで、美容院に行っただけで、」

「…でも、アイツに送られてきた」

「…あ、あれは、美容師の人で」
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