ツンデレ地味子の両手に華?!
…私って、何でこうも色々抜けてるんだろう。

たけちゃんに美味しい夕食を奢ってもらい、お腹の虫は収まったものの、気分的には複雑だ。

暗い夜道を二人で歩きながら、マンションに向かう。

「…たけちゃん。ごちそうさまでした」

笑顔で礼を言う。

「…ううん、大したものじゃなかったけどな。今度はもっと良い店を探しとくからな」

「…あんまり気取ったお店はやだよ」

「…どうして?」

「…だって大きな口開けて食べれないじゃん」

そう言うとたけちゃんは、そうだなと言って、笑った。

「…ん」

「…ん??」

突然止まったたけちゃんが、私に手を差し出した。私は訳がわからず首をかしげる。

「…ほんと、美野里は鈍い」

「…ぇ、あ!///」

宙に浮いてたたけちゃんの手が私の手をぎゅっと掴むと、フット笑って歩き出した。

…この手は、どういう意味で繋がれたのか?

…きっと、たけちゃんには深い意味は無いんだろうけど。

間もなくして到着したマンション。

部屋の前、繋がれた手は、なかなか離れない。

「…たけちゃん。今日は本当にごちそうさま。また明日ね」

「…あぁ、おやすみ、また明日」


…。

「…たけちゃん。手」

「…ぁ、あぁ、ごめん」


ようやく離された手。

でも、たけちゃんの手は、なんだか名残惜しそう。
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