ツンデレ地味子の両手に華?!
玄関の中に入ると、思わず溜め息が出た。

何だか今日は色々ありすぎて、どっと疲れが出た。

「…ゆっくりお風呂に入って早めに寝よう」

…その夜、私はぐっすり深い眠りに落ちた。

次の日の朝、今日からまた、一週間の始まりだ。

身支度を済ませた私は、家の外に出る。

…今朝は、たけちゃんの姿がなかった。

「…先に出社したのかな?」

そう言いながら、下へと降りていくと、道端に、見覚えのある車が一代。


横を通りすぎようとしたら、助手席の窓が開いた。

「…おい、」

「…へ?…ワッ!!何ですか、こんなに朝早く。ストーカー行為は止めてくださいねと言ったじゃありませんか?」

「…これ、大事なもんじゃないのかよ?」

そう言って右手に持つものを揺らす。


「…あ!私の財布!」

「…無くなってることにも気づいてなかったんだな」

飽きれ気味にそう言いながら、車から降りてきた彰人は、私に財布を返してくれた。

「…駅につくまで気づかなかったんだろうな、その分じゃ」

「…すみません。ありがとうございました」

「…ったく。じゃあな」

それ以上何を言うでもなく、彰人は、行こうとする。

そんな彰人の服の裾を、私はぎゅっと握ってしまった。

「…何?」

「…また」

「…ん?」

「…お店、行っても良いですか?」

私の言葉に、彰人は、笑顔で頷いた。

「…お前は、俺の専属客なんだから、いつでも来いよ…ぁ、でも、店にいないこともよくあるから、この間の名刺に俺の携帯書いてるから、そこにかけてから来いよ」

「…はい」

笑顔で頷けば、彰人はその笑顔にドキッとした。

「…今度は、メイクの仕方教えてやるよ」

そう言うと、彰人はその場を去っていった。
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