ツンデレ地味子の両手に華?!
「美野里~!お前可愛すぎ~」
「えっ!わっ!ちょっと!!」

178㎝と高身長のたけちゃんは私を抱きしめながら、頭をグリグリと撫でまわす。

小さい時から、お決まりのように。

もみくちゃにされてると、突然私の目に写った周囲の好奇の眼差し。

「人が見てるから止めれ!」

と叫べば、ぁと、たけちゃんもようやく気付き、私を放す。

「ほら行くぞ」
「え、あ、うん」

逃げるように私たちは、会社に小走りで向かった。

…本当、たけちゃんにはふりまわさっぱなしだ。

だけど、そんなたけちゃんを、私は嫌いになれない。

私のたった一人のお義兄ちゃん。だから。


・・・『絵本部門』

今日からここが私の働くオフィスだ。

「…あれ?たけちゃんも、ここ?」
「ん?あ~・・・部署異動したから」

ポリポリと頬を掻きながら、たけちゃんは笑った。

私は小首をかしげる。

「あ~~!!猛さんだ!!みんな!猛さんが来たぞ」

その言葉の後、数秒のうちに、私たちは、沢山の社員に囲まれた。

・・・なんか、怖っ。
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