ツンデレ地味子の両手に華?!
怯えた目でオロオロしている私に気づいたたけちゃんは、私の目の前に、スッと手を差し出してくれた。

沢山いた社員達が、シンと、静まりかえる。

「新入社員が怯えてる。少しだけ離れてくれる?」

とても優しい声色に、皆が一歩下がった。

・・・なんか、たけちゃんって、凄い人なのかな。

「あ、この子ですか?新人ちゃん」

誰かの声が聞こえた。

ハッとした私は、慌てて挨拶する。

「は、はじめまして…今日から働く事になりました、五十嵐美野里です・・・よろしく・・・」

どんどん尻すぼみになる声。

沢山の目が怖い。…人前って緊張する。


「よろしくよろしく」

目の前にいた男性社員がニコニコしながら、私の手を取ると、ブンブンと振りながら握手で言う。

私は笑顔が引きつる。

「こらこら、コイツ、あんまり、男に免疫がないから、あんまり触れないでくれよな」

そう言いながら、そっと私の手を引っ張った。・・・たけちゃん。


・・・こういう時、やっぱり助けてくれるのは、たけちゃんなんだよな。

「ほらほら、仕事仕事」

たけちゃんの言葉に、納得したのか、みんなそれぞれの席に着くと、仕事を始めた。
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