ツンデレ地味子の両手に華?!
…。

詩織さんの丁寧な指導のおかげで、少しずつ仕事を覚えこなしていく。

仕事に集中していると、優しいオルゴール調の音楽がオフィスに流れた。

「これ、お昼休みの音楽なの。急ぎの仕事がないときは、休憩に入る時間」

詩織さんの言葉に納得して二度頷いた。

財布を持った詩織さんに連れられ、着いたところは、食堂。

「どこでお昼食べてもいいんだけどね、うちの食堂は、社員はみんな、無料なの」

「えっ?そうなんですか!?凄い!助かりますね」

と、感心しつつ、目をキラキラさせながら、並べられた数々の料理を見つめていると、詩織さんは笑いだした。

…恥ずかしい。

私は頬を染めながら、目線を泳がせた。

「美野里ちゃん、可愛いね」

「いえ、そんな、私なんて…」

「美野里ちゃん、可愛いのに、何でそんなに顔を隠すの?眼鏡外せばいいのに」

「あ、ダメ!」

突然取られそうになった眼鏡を必死に掴んだ。

「…星野さんに」

「…猛?」

「お前はいつも、眼鏡かけてた方がいいって…多分、不細工だから」

苦笑しながら呟くと、私はランチを取り、歩き出す。

「…そんなに美野里ちゃん、大事なんだ」


「…真野さん?」

「え?…あ、何でもない❗ほら、食べよ。私もうお腹ペコペコ」

「…フフ、私もです」


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