Ｍｙ・ガール☆

【悠side】





「いらっしゃいませ」





緊張しながらドアを開けるとカランカランとベルが鳴ってすうっとひんやりとした風が通り過ぎた。


思い切って顔を上げると目の前に、彼がいた。



「いらっしゃい、悠」



彼が、拓人がにっこり笑って迎えてくれた。








「バイト始めたんだ」




拓人がそう言ったのはついこの前。



「ほら、駅前のえーと、『ランジュ』っていうあの喫茶店」


その喫茶店には拓人と何度か入ったことがある。
小さいけど、シックでとてもおしゃれな雰囲気と甘すぎないカフェオレが私はお気に入りで。



「だからさ…今度見にきてよっ！」



一人で喫茶店に入るのはちょっとためらわれたけど、どうしてもって言う彼と働く姿がみたいかもって興味の方が強くって、つい頷いた。