My・ガール☆
実はひょいと窓を飛び越え、僕のいるベランダへやってきた。



こいつは猿みたいに身軽なヤツだ。


「倉瀬。いっつも見てんじゃん?そりゃあもう片思いの時からねちねちねちねちと…」



ねちねち、ねー…


「実。お前は見るな。減る。」

「へいへい」


大げさに肩をすくめてみせた実を完全に無視してプールの方を見つめる。


悠は僕の愛しい愛しい彼女。現在進行形。


その悠は水泳部だ。


中学から続けているようで周りの皆からの期待は大きい。


僕は高校に入ってからは帰宅部だから悠が終わるのをいつもこうやって待っている。



< 8 / 49 >

この作品をシェア

pagetop