その恋、あと3センチ
「桜、後で目。冷やしときなね」
お母さんは急にそう言って私を見た。
私はびくりとしてお母さんを見た。
「ね?」
「うん.....」
「最近帰り遅いから新しいバイトでも始めたのかと思ったけど、違うのね」
お母さんはそう言って笑った。
う......
「べ、別にっ」
私はそう言って野菜を切った。
新しいバイトでも..........そっか。
掛け持ちしようかな。
そうすれば、余計なこと考える暇なんてない。
よしっ。
そうと決めたら後で電話だ。