その恋、あと3センチ
「ありがとう.......でも、辞めれないよ。
お母さん達のためにも、」
自分の為にも。
「.........どーせ、先生のこと考えたくないから仕事詰めてるんだろーけどさ。」
「え?なんか言った?」
「別に何も。」
青くんが何かぼそっと言ったが、私にはそれが聞き取れなかった。
「とにかく、辞めないなら夜の仕事は週に何回か休みなさい。」
青くんそう言って「ね?」と笑った。
「........うん、ありがとう」
「よし、帰るよ。
送る」
青くんはそう言って立ち上がると私のカバンを渡してくれた。
「ほんと、何から何までありがとう」
私がそう言うと青くんは嬉しそうに笑った。