その恋、あと3センチ
「だから、その....がんばってくれ!」
先生はそう言って私の肩にぽん、と手を置いて謎のグッジョブサインを送った。
(親指立ててグー)
「..........はぁ、ありがとうございます」
私はなんかだ拍子抜けであっけらかんとし、先生から視線をはずした。
「............明日からは、放課後来いよ。」
先生はそれだけ言って席を立ち帰ってしまった。
「.........ありがとうございました」
ぼそりと呟いた私の言葉は誰にも拾われることなく、私の中にだけ響いた。