その恋、あと3センチ
「雨倉ぁー」
すると先生が後ろから名前を呼んだ。
......ほんと、1歩離れたらこれだもん。
苦しい。
「なんですか?」
「ほれ」
先生はそう言って私に傘を投げた。
「?」
「今日、雨予報」
先生はそれだけ言うと手を振り教室に戻っていってしまった。
「.......」
私はキャッチした先生の折りたたみ傘を見た。
「.............ずるい」
私の心の中にいるのは、いつだって...............