その恋、あと3センチ





「..........忘れてください。」



私はそう言って教室の奥の方に行って先生から逃げた。



あっつ。




顔に熱がいくのを感じる。




私はその場にしゃがみこんだ。





何言っちゃってるんだ私。




ばか。私のばか。





自分の言ったことが恥ずかしくてなかなかそこを動けないでいると、隣に気配が。






「っ、」



先生が隣に同じように座ってきた。




「なんですかっ....」




「数学、すき?」



先生はまっすぐ前を見て言う。



そこには偶然なのかなんなのか、数学の本があった。




私もそれを見る。





「...............好きです」





「....そっか。俺も。
数学すき。」





じゃなきゃ数学教員なんてやってないし。





と先生は笑ってこちらを向いた。




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