その恋、あと3センチ
「....先生が、数学教員だから。
先生の担当教科が数学だから、一番勉強頑張りました.........」
先生の笑顔を見てたら、自然と口が喋っていた。
言ったあとに、しまった。と思った。
先生は、いじめたくて仕方の無い顔で私を見てる。
サーっと青ざめていく私の顔。
さっきまであった熱が嘘のよう。
「ふーん、そうなんだ」
ニヤニヤ。と。
「からかわないでくださいっ」
「別にからかってないよ?」
嘘だ。
「かわいーとこあんじゃん」
先生はそう言ってちょん、と肩を少し私に触れさせてきた。
「し、仕事してくださいっ」
私はそう言って勢いよく立ち上がると、掃除を再開した。
いつも不意打ちすぎるんだよ、先生は。