その恋、あと3センチ
「桜、がんばろうね」
トボトボと歩く私に青くんが歩み寄る。
「そうだね」
少しの作り笑い。
「じゃ、俺一種目目だから」
「がんばれ」
ヒラヒラと手を振ると、青くんは走っていった。
体育祭はクラスごとに色が違っていて、それが学年で系列になっている。
つまり、同級生の仲間は同じクラスだけ。
........そりゃクラスの親睦も深まるはずだ。
けど私はもちろん除け者。
除け者にされて楽しい体育祭が、この世にあるのだろうか。
私は1人、会場であるグラウンドの端っこに一人座った。
毎年ここでサボってる。