その恋、あと3センチ
「あ。雨倉さん来たよー」
「ごめんなさい」
「先生ー来たよー」
私が来たのを確認した子が、担当の先生に伝えた。
「雨倉さん、頑張ろうねっ」
すると隣の子が、私に笑いかけてきた。
「......うん、!」
びっくりしたけど、嬉しかったので私は笑った。
もうてっきりこの学校の全員には嫌われていると思っていたから。
「選手は入場して、準備をしてください」
放送が入り、みんな動き始めた。
私も自分の位置へ行く。