その恋、あと3センチ
一応、体を伸ばしておく。
「雨倉さん、絶対優勝するよ!」
「今年で最後だもん。
楽しみたい!」
するとまた、声をかけてくれた同じクラスの子。
「はい.....がんばりましょうっ!」
なんだ、私が勘違いしていただけだった。
私のこと、気に食わなくてなんかしてくる子はごく1部だったんだ。
「なぁに、敬語じゃなくていいよ。
タメだし、クラスメイトじゃん」
その子はとても、可愛らしく笑った。
「う、うん!」
私も、笑った。
同級生と話したのは、いつぶり??
「あっ、始まるよ。
応援しよう!」
「いちについて、よーい....」
パンッ
ピストルの音で、障害物競走がスタートした。