その恋、あと3センチ
なんだろう、すごく気持ちがいい。
自然と口角が上がった。
「.......なんだ、雨倉さん声出るじゃん」
「うんうん!笑ってた方がかわいいよ」
そんな私を見ていたクラスメイトが言う。
そんなこと言われたの、初めてかも。
「あっ!もうすぐ来るよ!」
次の走者は私だ。
「い、行ってくる!」
「うん!ファイトー!」
「がんばってね!」
そんな言葉に背中を押されながら私はバトンゾーンへと行った。
「はぁっ...はぁっ.....雨倉さんっ....!」
私の前の子が、息を切らして走ってくる。
ぐるぐるバットか。
私はその子からバトンをもらうと、走り始めた。
タンタンタンタンっ