その恋、あと3センチ
体育館へつくと、適当にクラスの位置へ行きなにか始まるのを待った。
「えー、集まってくれてありがとうございます。
今日は今日を最後にご退職なされる先生がいるので、集めさせてもらいました」
しばらくして、司会の先生が言う。
辞めるってこと?
誰だろう。
もちろん、事前に知らされていたなんていうことはなくざわつく体育館。
「白石先生」
司会の先生がそう言うと、白石先生が壇上に上がった。
ああ、そういえば辞めるとか言ってたな。
先生と、最後の思い出作りまでしちゃって。
白石先生が、なにか喋っていたが私はずっと上の空で聞いていた。