その恋、あと3センチ






「まさか白石先生が辞めるとはねー」



「結構いい先生だったよね。英語わかりやすかったし」




私は嫌い。





という言葉は飲み込んでおいた。




集会が終わり、教室に戻る。





「てかさ、あの噂知ってる?」




「噂?」



美香ちゃんの言葉に愛ちゃんと声を揃えて言う。





「そーそー。宮島先生の」







..........先生の?





「なに?宮島先生がどうかしたの?」


愛ちゃんが早く言ってよ、という顔でいう。



「この学校に来た理由」






来た理由か......





確かに知らないかも。






「実は、」




「実は?」




またもや愛ちゃんと声を揃えて言う。










「前の学校で、生徒と恋愛沙汰になって教師辞めたんだけどまた復帰してうちの学校に来たらしいよ!」














美香ちゃんは得意気に言った。






「え、まじで?それはやばいわー」



「ね!まぁかっこいいから頷けるけど、なんだかなぁ」



「教師との恋愛って憧れるけど、相手の事考えたらできないかもー」




「確かに!けど好きになったら止められないよねー」

















何も、言えなかった。













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