その恋、あと3センチ
先生、
今日1日、私は上の空もいいところだ。って程上の空だったと思う。
白石先生が学校を辞め、先生の噂を聞いてもういっぱいいっぱいだった。
先生の噂を、信じたくなかったけどなんだかいろんなところで聞く。
教室で生徒が話していたり、廊下で話していたり。
それは先生の人気度を示しているが、やっぱり認めたくなくて。
直接聞く勇気もないし、私にそんな資格はない。
「もう........」
1人でぼそっと呟いた。
「桜」
「?」
そんなとき、青くんが声をかけてきてくれた。
「俺も手伝う」
そして放課後の掃除を手伝ってくれた。
ああ。もうそんな時間か。
..........掃除終わりたくない。
だって終わったら先生のところへ行かなきゃ行けない。
「桜今日ずっと上の空だね」
「うん.......」
「先生の噂?」
「うん.........…」
「まぁ噂だし。ホントかどうかわからないからそんな気にすることないよ」
「うん………」
ごめん青くん。
…ありがとう。