その恋、あと3センチ
今一番、見たくない顔。
「よー、倉井」
「こんにちは、宮島先生」
宮島先生は、ポケットからタバコを出すと吸い始めた。
あの……一応ここ学校なんですけど。
しかも、生徒の前。
「桜。渡さないから」
先生はそう言って俺を見る。
渡さないからって………
桜はもともとあなたのものでしたよ。
俺が、入るすきなんてなかった。
わかってたけど、俺は強がってしまった。
「どうでしょう。」
「ふっ……不器用」
宮島先生はそう言って俺の頭をぐしゃっと撫でると、タバコの火を消して屋上から出ていった。
苦手だ。