その恋、あと3センチ
「明日から自由登校も始まるし、本当に卒業って感じだね」
私が言うと青くんが困ったように笑う。
「本当、こんなことならもっとはやく桜に出会っとけばよかった」
「えっ」
「なーんて。嘘だよ。
桜はもう、人のものだもんね」
青くんはそう言って困った顔を笑顔の下にしまった。
「でも、卒業してからも会おうね」
なんて、まだまだ先のことに聞こえる。
「そうだね」
青くんはそう言って教室を出て行った。
そしてそれと入れ替えに、愛ちゃんと美香ちゃんが来た。