その恋、あと3センチ









「ただいまぁ……」



「あら。
おかえ………桜?」




ごめんお母さん。



今日はバイトお休みしよう。




明日から、頑張ろう。





とぼとぼと家に入ると、私は部屋に行ってベットに倒れ込んだ。







「…………っ、うぅ」







涙がたくさん出る。






あぁ、浮かれてた私が馬鹿なんだ。





先生と、やっと気持ちが通じたと思ったのに……。








「…………あ、電話」





お店に電話しなきゃ。






私はまだ涙が溜まっている目で携帯をだし、電話をかけた。






プルルルルル……







ガチャッ




「あ、もしもし。店長ですか?」



『あぁ。サクちゃんどうしたの?』


「すみません、ちょっと体調崩してしまったので今日お休みします………」



『げ、まじかぁ。ほんとに無理そう?』



「え?なにかあったんですか?」



『いや、サクちゃん指名のお客さん来てるんだけど、サクちゃん来るまで帰らないって……』




迷惑、かけてる。




「わかりました。いますぐ行きます」




『ごめんね!ほんと、無理しなくていいから!』




「大丈夫ですよ。」




『じゃあ、よろしく!』



「はぁーい」




ガチャッ






今日に限って………







私は重い腰をあげると、着替えて荷物を持ち家を出た。






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