その恋、あと3センチ
「………」
「………」
ほかの席の、お客さんの声や先輩の声だけが聞こえる。
「………桜、俺辞めることになった」
そんな空間の中、私の耳に一番届いた言葉はやっぱり先生の声だ。
「………え?」
「今日、校長先生と話した。」
何、言ってるの……
なんで先生が、辞めるの………
1番恐れていたことが起きた。
「桜は、もう大学も決まってるし。
これからだろ?
だから俺だけ犠牲になれば、………」
「なにそれっ……!」