その恋、あと3センチ
「だって……先生だけなんておかしい」
「いいんだよ……
お願いだから、そうさせてよ」
先生はそう言って、困ったように笑った。
「でも………」
「俺は、叔父さんの仕事するし。
心配ない」
「………」
「わかった?」
先生は小さい子を諭すように私に言った。
「じゃあ、ね。」
ぶすっとしている私をよそに、先生は立ち上がってお会計に言ってしまった。
「まっ………」
先生の背中が遠い。
わからないけど、その背中にはもう
会えない気がした。