その恋、あと3センチ
ていうか、殺されそうです。
「く、苦しい………」
「ああ、悪い」
……思ってないでしょう
先生は私を抱きしめる力を弱めた。
「…………はぁ、信じててよかった」
そしてそう、呟いた。
「?」
「いや………あれからまったく会えなかったから。
正直、どうしようかと思った。
会いに行こうにも俺もうあの学校の近く行けないし。
大学に、行こうと思ったけど。
桜ががんばってるって思ったらなかなか勇気でなくて。
で、結局ずっと叔父さんの仕事手伝ってて気づいたら副社長」
先生はそう言うと、もう1度私を抱きしめた。
「覚えててくれたんですね」
「当たり前だろ。」
その言葉に胸が鳴る。