その恋、あと3センチ
「……はーっ」
先生は大きくため息をついた。
………呆れられた?
不安になって顔を上げると、そこには顔を赤くして首の後ろを掻く先生。
「……なにそれ、めっちゃ嬉しいじゃん」
………先生。
「…………あっ!」
「…どうした?」
私が突然声を上げ、先生は不思議そうに私を見る。
「先生、忘れてた。」
「?」
「青くん、結婚するんだって!」
何故かわからないけど、今思い出した。
「青って……倉井?」
「そうそう、この前結婚の招待状届いてね、金髪の綺麗な人と一緒に写ってる写真が印刷されてたの」
なんか見たことあるんだよね、あの金髪の女の人。
「ふーん……なんで今?」
先生は眉間にシワを寄せて言う。
「その招待状に、先生も誘ってって書いてあったの。思い出したの」
私はそんな先生に笑顔で言う。
「友達が結婚するって、幸せだよね。幸せ分けてもらうみたい。結婚式楽しみっ」
「うん……そうだな」
そんな私を見て先生が微笑む。
なんだろう、まだ夢を見てるみたい。
先生、ほんとにここにいるんだ。
「あっ、先生来れますか…?確か来月くらいだった気が…」
先生きっと忙しいから、来れるかわかんないよね……