その恋、あと3センチ
「行くよ。大事な教え子の晴れ舞台」
先生はそう言って私の頭を撫でた。
「先生……」
そんな先生に嬉しくなって頬が緩む。
実感する、本当に先生と今話してるんだって。
その事実にまた頬が緩む。
「なにニヤニヤしてんだよ」
先生は私のほっぺを優しくつねる。
「…先生が、本当にいるんだって実感してるんですーっ」
私はそんな先生の手に触れながら言う。
「なんだそれ」
先生は私の言葉を聞くと嬉しそうに笑った。
そして私の手を握った。
「俺も実感してるよ」