その恋、あと3センチ
次は移動教室だっけ。
私は教科書を持ち、1人で移動教室へ向かった。
みんなはまだ10分程度の休み時間を楽しんでいるのか、廊下にはがやがやと話し声であふれている。
そして曲がり角を曲がると
「あ」
ばったり。
「こんにちは」
「おー、」
宮島先生は授業が終わったのか、これから授業なのか、教科書を持っていた。
「じゃ」
私は先生の横を通る。
「雨倉」
どきりとした。
いつも桜ちゃんって呼ばれてるから、雨倉なんて呼ばれるの久しぶりだ。