まいにち、しののめ。
10月19日(水)逃げるは恥だが役に立つ
…『ロングバケーション』以来なんじゃないか? いや、それは言い過ぎか。『やまとなでしこ』かな?どちらにしても、大学生の頃以来。超・久々に連ドラを観ています。第一回から録画までして(笑)それが、

『逃げるは恥だが役に立つ』です。

ご覧になってる方、いるかなぁ?
(と、書きつつ確実に2人いるのは知っている。笑)

海野つなみさん原作の社会派マンガ(と、どこかで称されていた)をドラマ化したものです。タイトルは北欧のどこかの国のことわざなんだそう。逃げることは自分としては恥かもしれないが、時としてそれはとても有益なことである、と。

テーマは契約結婚。と、言ってもベリカで流行っているような、初めから恋愛モード全開なものではなく、あくまで独身男女の利害関係が一致して、雇用主と従業員の関係でのみ結ばれている、事実婚。(婚姻届は提出しないので税金の配偶者控除は受けられないが、同一住所に住んでいることが証明され本人たちが事実婚を認めれば、各種保険や扶養手当などの制度は適用されるらしい)まさに、結婚という制度を有効に活用した契約、です。

夫は妻に給料を払って「主婦業(家事全般)」という「仕事」をしてもらう。妻を雇うことにより、両親や会社からの「結婚しないのか」という圧力から解放される。今まで支払ってきた家事代行サービスのお金も浮く。

妻は労働の対価として「現金」と「住む場所」、「社会的身分」を保証される。周りの圧力から逃れられるのは夫と同じく。雇用契約書で家事に従事する曜日と時間もきちんと決められているので、イレギュラーの場合は時間外手当や休日手当も付く。「妻という仕事」をする。

物語のベースとなっているのはこういった内容です。
結婚という制度の利点、欠点、人間に及ぼす作用を、(原作では特に)かなりドライに描いていて、面白い。

「情」がゼロの状態で、結婚生活における全ての労働力を数値化すると、こうなるんだーって。意外と揉め事が少なくて良いもんかもしれないですね(笑)。

家に関わるさまざまな雑事ってもう、「愛情」の一言で「無償」になることが沢山あるじゃないですか。その「無償で頑張るのなんか当然でしょ」って価値観にイラッとした経験のある既婚女性って、少なくないと思うんですよね。私もあるし。(てかもう、初歩の初歩、姓が変わるという時点でものすごい不利益を被っている。)
それら全部が有償になったら、さてどうなる?っていう実験的な作品でもあるのかも。

新垣結衣ちゃんも相手役の星野源も可愛くて可愛くて可愛くて(オイ語彙)、このツボな配役も「逃げ恥」のファン層をよく掴んでいるなーと思います。逃げ恥を好きな人は星野源も好きである確率、絶対高い。

ま、それでもベースはラブコメなので、このドライな婚姻契約も次第にラブに発展していくのですが(笑)、あくまでルールにこだわる堅い2人が、少しずつお互いのガードを緩めて近づいていく様子がほほえましいのです。

結婚って何だろう?
結婚するメリットって何だろう?

と、いうことを、結婚した後でも(笑)深く考えさせられます。海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』、観点が面白い作品です。


< 20 / 32 >

この作品をシェア

pagetop