まいにち、しののめ。
10月8日(土)定食屋ノ漫画ニ想フ

おはようございます。

朝、起きたら熊本・阿蘇山で爆発的噴火と一報が。九州北部のみなさん、大丈夫ですか。阿蘇山は不安定な状態で、今後も同程度の噴火が起こり得る、と気象庁の会見がありました。今後しばらく、どうぞ気をつけてお過ごしくださいね。農業へのダメージは避けられないだろうけど、まずは人的被害が出ませんようにと祈ります。

さて、きょうは何をお話ししましょう。

『週刊誌のように読み捨てて』の続き、聞いてくれます?

わたしね、基本的に、時間をかけて丁寧に作られたものが好きなんです。食べ物も、音楽も、創作物も。好き、というか、そういう類のものにならお金を払う価値がある、と思っています。あくまでわたし個人の価値観の話ですよ。貧乏性なんです。オタク気質とも言うのかしら。内容が無いものにお金を出す気になれない。 世に溢れる、「薄っぺらいもの」「浅いもの」「心を動かされないもの」の価値が全く理解出来なかったんです。これまでは。

でもそれは、わたしがその対象物と1対1で向き合っているから、なんですよね。モノが何であれ、作り手に回る人って、それが出来るが故に、こだわりがあるが故に、凝ったものを要求しがち。労力=価値、という感覚がどうしても肌感覚として基本にある。自分が「つくる」人だから。

だけど、消費者は、そんな人ばかりじゃない。創作物を消費する時って、人それぞれ、向き合い方が、シチュエーションが、違うんですよね。当たり前なんだけど。当たり前のこと、なんだけど。そのことを、文字の上では知っていたけど、頭と心で納得するには至っていなかった、って感じかなぁ。最近まで。

例えば、定食屋さんの本棚に置かれているマンガのラインナップ。延々と美味しいものを食べるだけ、とか、延々と敵と戦うだけ、っていう作品が結構ある。単調、単純、繰り返し、荒い。どれもそんな形容がぴったり。私にとってそれらは、お金を出す価値の無い作品に分類される。退屈だもん。

だけど、それらは、食事をしながら読んだり(マナー違反だと思うけど)、食前食後の時間つぶしをしたい、という人にはきっと最適なんです。定食屋に来るお客さんは、別にこんな所で、感動したり、推理に頭を悩ませたり、恋愛の駆け引きにドキドキしたりして、心と頭を疲れさせたい訳じゃない。ただなんとなく、手持ち無沙汰なのを紛らわせたいだけだもの。
だから軽い読み物であればあるほど、その客にとっては価値がある。定食屋さんにとっても、ご飯が出来るまで客にご機嫌で待っててもらえるなら、その軽い読み物にお金を出す価値があるんですよね。

みんながみんな、私みたいにヒマじゃないわけで。世の中には「消費するのに労力を使わない商品」に対する需要が、結構あるんだなーって。需要があるなら、お金を産むなら、それはその商品の価値なんだって。

そんな、当たり前のことに気付いたのはここ最近。遅いよ!しののめさん!(笑)って笑ってやってください。

これ、あるライブに行ったことがキッカケだったんですけど、それはまた今度。

音楽にも、自分の仕事にも適用できる魔法の価値観でした。




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