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「こちらが妻の雪枝、こちらが娘の灯里です。まだ18で至らないことが多いですが、どうぞ宜しくお願い致します。」
「始めまして。櫻井灯里です。どうぞお願いします。」
「まあ、お綺麗なお嬢さんですこと。」
私の挨拶に、雅さんが嬉しそうに目を細める。
まるで人形のような雅さんは、微笑むとさらに美しかった。
「こんな素晴らしいお嬢さんが来てくださるんだからやっぱりカップルコーディネーターの方にお任せして良かったわね。」
「聖也さんのような方と結婚出来るんですから娘も幸せですよ。ね、灯里。」
雅さんと母親は席についても嬉しそうに会話を続ける。
「どこかの国では生まれてくる子の目の色とか髪の色をオーダーメード出来たりするらしいですけど、品が無くて嫌ですわね」
「確かに、その点日本の遺伝子マッチングシステムはまだ倫理的な部分がしっかりしていると思いますね。」
「遺伝子の相性が最高だなんて本当に運命の相手だと思いますよ」
(運命の相手ね、本当にロマンチックだよ。遺伝子レベルで、提案された相手なんて)
私は運ばれてきたオードブルを見つめながら心の中で吐き捨てた。
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