AutumnOrange。




でも、一度もこのが俺を見ることがないことにも気づいた。



このは俺をいない存在として、



自分に認識させているんだろう。



これじゃ、話しかけられない。



あの頃のように話すことももうないのかもしれない。




「ねえ、千秋はさ、このはと一緒のクラスで辛くないの?」



咲羅とふたりで道を歩いていると



そんなことを聞かれた



「なんで?」



「だって、このはは千秋に告白したんでしょ?」



咲羅にはすべてを話してある



俺がしっかり断ったことも。



咲羅は気づいていたようだ



俺が、このを好きだったことも



このが、俺を好きだったことも





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