AutumnOrange。




「父さんに愛人がいるとわかったのは俺が小学生のとき。」



お父さんの部屋に入ったときに本のしおり代わりにお父さんと愛人のツーショット写真が挟まっていた



そして裏に



美代子と旅行



と、父の達筆な字で書かれていたと



瑞稀は言った。





「そのとき、俺は頭が真っ白になった。
父さんも母さんも違うパートナーがいるんだって。でもその時はそれが普通なんだと思った」




そう納得した、



そうするしかなかった




そうしないと自分を保てない気がした




瑞稀はそう言った




「愛がない、本当の意味がわかったのは兄貴が死んだ時」




瑞稀のお兄ちゃんが



亡くなった




瑞稀のお兄ちゃんが亡くなったとき



お父さんは言った。


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