AutumnOrange。
「瑞稀っ、ごめんねありがと」
「いーの。このはは女なんだから」
瑞稀は優しい。
「ね、瑞稀さAutumnOrangeって曲知ってる?」
「もちろん知ってるよー、良い歌だよな」
「私、あの歌を聴くたびに胸がぎゅっと苦しくなる」
千秋のことを思い出すから
私達の前には
オレンジ色に染まった空が広がっていた
「きれーだな…」
「…この空を見ると嫌なことも忘れられるよね」
「"オレンジ色に舞う秋風、もどかしい思いさらって"か。俺も、そろそろ覚悟決めなきゃな」
びゅーっと強い風が吹いた
「え、何?ごめん、聞こえなかった」
「…なんでもねーよ」