spicy◇candy
中庭のベンチで頭を冷やそうと考え、座っていた。すると、

「…………初日なのにおつかれ」

前方斜め前からの声に意識を引き戻された。背丈の低い小柄な女子、簡単に言えば和美を引きあいにだすとその女子に失礼なくらい清楚と言うべき人が、この声の持ち主だと分かった。

二つのお下げが春の夕風に吹かれている。確かにその姿は見覚えがあった。
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