spicy◇candy
とある仲間に電話をかけた。鳴り響いたのはいかにもロックテイストなバンド系通知音。
これがこいつの趣味なんだと感心していると、相手は僅か2コールで対応してくれた。

「いきなり声で話したいなんて、意外と大胆だな、どうした?」

真紀の、お世辞にもイケボではなく、かといって和美みたいなゲスボでもないフラットな声を耳に心地よく思う。彼に連絡を入れたのにはきちんとした意味がある。

「和美の事もっと詳しく教えてくれよ」
俺は、食い気味に彼に質問を投げた。
< 25 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop