spicy◇candy
……彼は怒っている。それは声から読み取れた。いくら初日に出来たばかりの友達とはいえ、俺は気持ちを読むくらい出来る。

真紀に何か禁句を言ったのだということを即座に感じ取り、謝ろうとしたら彼は一言付け足した。

「いつか雄大も分かるだろう。理由は自分で考えろ」

ガチャリ。無気力に通話は終わりを告げた。初日なのに喧嘩だなんて俺はやっぱりつまらなくて無力な男だ。

和美の宣告がまた、俺の心臓の痛みに追い打ちをかけた。
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