spicy◇candy
ユニフォームを来た俺は、部室に当たり前のように佇んでいる等身大の鏡の前で、姿形の確認を忘れずに行う。それが運動部の掟なのだ。

真紀は、俺のサッカーユニフォーム姿に感心していたが、お前の方が似合ってるのは分かっているからな。そんなお世辞、一つも言わなくていいぞ?

グラウンドに差し掛かっているのは、沈み掛けの太陽と、藍色に塗りつぶされた空。

俺は緊張をほぐすべく、深呼吸をただひたすら繰り返す。チームメイトたちの笑い声が、真剣な声に転換されたのと同時に、武都先輩の気合いの第一声も響き渡った。

「新入生の佐藤雄大を出迎えて、初の練習試合気合い入れろー!!」
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