spicy◇candy
「でも今日……どうするんだよ」
当然な質問をぶつけた。泣き止まないまま、藤谷は下ばかり向いていたが、突如キッと俺に睨みをきかせ、
「あんたんち……泊めて欲しいんだけど」
えっ。藤谷は夜風に揺れるセミロングヘアをかきあげ、涙で濡れに濡れた頬を、子供のようにぬぐっていた。
俺は、コイツが女である事を知ってはいたが、男子の家に泊まることなど絶対ないとばかり思っていた。むしろ男友達とお泊まりなど、彼女の方からお断りをしそうに見えるからだ。しかし、俺にそんなことを頼むなんて。
「……本気で言っているのか」
藤谷の顔からは、これでもかというほど素直に頷いている表情が読み取れた。俺は肯定の意を示そうと、手を繋いだ。自然と藤谷も手を繋ぎ返してきた。
当然な質問をぶつけた。泣き止まないまま、藤谷は下ばかり向いていたが、突如キッと俺に睨みをきかせ、
「あんたんち……泊めて欲しいんだけど」
えっ。藤谷は夜風に揺れるセミロングヘアをかきあげ、涙で濡れに濡れた頬を、子供のようにぬぐっていた。
俺は、コイツが女である事を知ってはいたが、男子の家に泊まることなど絶対ないとばかり思っていた。むしろ男友達とお泊まりなど、彼女の方からお断りをしそうに見えるからだ。しかし、俺にそんなことを頼むなんて。
「……本気で言っているのか」
藤谷の顔からは、これでもかというほど素直に頷いている表情が読み取れた。俺は肯定の意を示そうと、手を繋いだ。自然と藤谷も手を繋ぎ返してきた。