spicy◇candy
心臓の鼓動が、前にも聞こえてきそうだ。俺は職員室の前で硬直していた。
母は緊張などひとつも感じられない、凛とした佇まいで隣に立っていた。彼女も新調したのか、ツーピースのスーツをピシッと着こなしていた。
地蔵のごとく固まっている俺の緊張は早々にほぐれなかった。そのリラックスの身代わりになりそうなものは無いかと思いを巡らせていたその時。
「こんにちは。転校生の佐藤君て君かい」
母は緊張などひとつも感じられない、凛とした佇まいで隣に立っていた。彼女も新調したのか、ツーピースのスーツをピシッと着こなしていた。
地蔵のごとく固まっている俺の緊張は早々にほぐれなかった。そのリラックスの身代わりになりそうなものは無いかと思いを巡らせていたその時。
「こんにちは。転校生の佐藤君て君かい」