spicy◇candy
湯のみを片付けて部屋に戻ると、彼女はテレビを消し、床に寝転がるようにすーすー寝息を立てていた。ビックリするどころか、俺はついクスッと笑ってしまった。

こいつ、女らしい寝方をしてやがる。ご丁寧に足をたたんで、両腕を合わせ俗に言うぶりっ子ポーズで寝ていた。てっきり大股を開いたりして、寝ているのかと思った。

俺は迷わず、藤谷を持ち上げる。お姫様抱っこというものを、初めて女子のために決行する日があるなんて。恥じらいはなかったが、俺などがやっていいのかという心配はあった。

厚手の布団をかけた後、彼女のスクバをどかし、俺は床で寝ることに決めた。疲れを感じた俺は、電気の消灯も忘れるほど、すぐに夢の世界に出掛けていた。
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