spicy◇candy
その日の終わり、俺は教室で藤谷からもらったメモをまじまじと見ていた。みんなが部活やら帰宅部の事情で教室を出ていく中、俺は1人でその他愛もないメモを見ていた。

「おい、部室先に行くぞ」

先に行っててくれと伝えると、俺は藤谷の席に向かった。アイツはまだ席で、何やら考えるような素振りを見せていた。

夕陽が差し込み、藤谷の頬をほんのり橙色に染める。俺は、先ほどのメモを見せた。

「何を聞かれたの?」

藤谷の目は真剣の意を示していた。やはり、言うべきだ。俺は倉井に言われた事をそのまま伝えた。
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