spicy◇candy
時の流れが、止まったかのように思えた。揺れるカーテンを背景に、俺の脳裏には様々な思いが過った。何で俺を選んだのか、真紀じゃないのか。

何より、これを藤谷先生がどう思うか。そして、そんな俺の心の内を見透かしたのか、藤谷は済ましたような顔で言う。

「何心配してんのよ?親に説得くらいするし。さ、部活行くわよ」

えっ。流れから言って俺の部室に来る気じゃ。案の定、すたすたと歩く彼女についていくと、サッカー部の部室の前に来ていた。
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