spicy◇candy
背後には、人が集まってきたのを俺は知らなかった。藤谷がいつの間にか皆に知らせていたのだ。全く……でも呆れるよりも憤慨の気持ちが強かった。

「分かったらすぐに……謝れ!俺にも和美にも!」

言い切った後、少しながら余裕が生まれた。藤谷にはビビるような目でその後見られたけど、守るためならそのくらい普通はするだろ。

「おい、お前……」

ふと気づくと、真紀がこちらを見ていた。サッカー部のメンバーも武都先輩もいた。余裕が小さくなっていく。心臓の鼓動が早まる。きっと部活にももう行けないだろう……

「先生に何をしてるんだ……お前って思ってたより生意気なんだな」
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