銀木犀
第8章 シンクロニシティ
「ああああああ!」
「ど、どうしたのユカ?」
「か、課題……忘れた……」
「えっ! 今日の? 国語の?」
「う、うん……」
「そ、それは……」
この日の国語の課題は作文だった。
昨日ほぼ徹夜して仕上げたのに、いつもと違う気分で! って、居間でやったのが間違いだった……。
隣でトモコは心配してくれてるけど、こればかりはどうしようもない。
人のを写す訳にはいかないし、今から書くには時間がなさずぎる……。
「まあ、いっかあ〜」
「まあ、いっかあ〜てユカ、先生、あの人だよ……?」
そうなのだ、国語の先生は課題の提出にすんごく厳しいのだ。
おまけに国語が好きな私はこの先生から好かれているし、目をかけてもらっていた。
きっと悲しい顔するんだろうな……。