銀木犀
第11章 約束
あれからもう十二年が経とうとしている。
その後つきあった彼女のせいで女友達のすべてを失い、同窓会にも行かない僕にはその後のユカの消息はわからない。
だけどきっとしあわせに暮らしているんだと勝手に思っている。
それは確かに勝手な思い込みなのだが、僕が今現在しあわせであるならば、ユカもしあわせなはずだと、なぜか確信に近い気持ちでいる。