爆発まで残り5分となりました
その言葉を聞いた途端、ふいに目の奥が熱くなるのを感じた。



「……だって、私が……私が死んだら、皆が助かるかもしれないんだよ…………?」



だんだん涙声に変わっていく自分の声。



もちろん……分かってる。



自分が死んじゃうことが、どれだけ他人に迷惑をかけるかは分かってる。



でも、……それでも、三人が助かるんだよ。



私ひとり、死んだって……いいんじゃないかな。何の役にもたてないなら、もう──。




「お前が死んだら、俺も死ぬ」


低くて冷静な悠真の声が、相談室に響く。



「え……っ」



「だから死ぬな。皆、お前のおかげでここにこれたって、……元気付けてくれて、助けてくれたって……知ってるんだぞ」



悠真の声に続いて、轍の声も聞こえてきた。



「俺、あの時助けられたんだぞ、佐山に」



助け、られた……?
< 113 / 674 >

この作品をシェア

pagetop